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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

リンゴの鉢栽培 ~果樹盆栽仕立て~
   

リンゴの鉢栽培 ~果樹盆栽仕立て~


 

リンゴ「アルプス乙女」の苗木を入手しました。
第一の目的は授粉樹として。
ご承知のように、リンゴは他品種の花粉でよく結実します。
特にアルプス乙女は授粉樹として定評のある品種です。

もう一つの目的は果樹盆栽に仕立てることです。

この品種の果実は小さいのですが、
放任しておいてもよく結実してくれます。
それに、鉢仕立てにするうえで、樹形とのバランスにおいても
小果でたくさん結実してくれるのはありがたいことです。

さて、『2株あるうちのどちらを選ぶか』ですが、
それぞれの株元を確認してみましょう。
写真左側の株は、立ち上がりが曲線になっているのがわかります。
写真右側の株は、立ち上がりが直線です。

盆栽では“曲線美”を大事にしますので、
今回は左側の鉢を選びます。

 

さて植付けですが、当分は盆栽候補生ですから、
根・幹・枝の基本作りに専念して小細工は行いません。
apple

栽培的な配慮を優先して、
いわゆる幅と深さがほぼ等しい栽培鉢とします。
灌水など十分な手入れができる場合には、
通気排水の良い素焼き鉢が理想的です。
プラスチック鉢や化粧鉢などは、根には悪いのですが
水切れの心配が少なくなるのは好都合です。

今回は、写真のように鉢の下部に縦に隙間のある
スリット鉢を用いることにしました。
この鉢は根が徒長せず、たくさん発根するので、
盆栽仕立てで大切な「根張り」づくりに好都合です。

apple用土
保水性が良く、細根が発生しやすい赤玉土単用とします。
また、移植の際には、用土がついたまま根を切り戻しますが、
川砂などと違い鋏を傷めずに済みます。
apple苗木の処理

1square古い用土を落とし、根張りを確認する

根張りを確認するときは、ピンセットで慎重に行います。


2square根の状態を確認し、将来の「根張り」位置を決める

もっとも上部のしっかりとした根は、
写真のように、幹の右側から出ているのですが、
左側(反対側)からは根が出ていません。

これでは良い根張りにはならないので、
他の根張りを確認します。

少し下のほうに、両側からしっかりとした根が出ている位置がありました。
こちらを根張り位置に決めます。


3square根を切り戻す
根を3分の1程度に切り戻します。
太い根を切ったときにはトップジンM(傷口保護剤)を塗っておきます。
 

4square根張り位置で根をそろえる

先ほど決めた根張り位置で、根をそろえます。
もっとも上部で片側からのみ出ていた根は切ります。

 

apple植付け
1square「根張り」の下まで用土(赤玉土:中粒)を入れる

※今回の苗は根張りが良かったため、
故意に根を発生させる処理は不要でした。
思ったような根張りがないときは根を発生させる処理が必要です。
その場合は「根張り」にしたい位置の下の部分を針金などで縛ります。

2square間に用土(赤玉土:小粒)を入れる

3squareピートモス(長繊維タイプ)を敷く

ピートモス(長繊維タイプ)を敷くことで
保温効果と雑草が生えるのを防ぐ効果があります。

ラベルも忘れずに!


4square株を鉢に固定し、たっぷりと灌水する

株が不安定だと新根の発生か妨げられますので、

麻ひもで株を鉢に固定します。

apple苗木の処理
1square枝を落とす

上部より伸びだした枝は、
位置が高すぎるのですべて落とします。

 
 

2square下から4つ分の芽を残して、それよりも上の芽をすべて摘む

枝に蓄積されている養分を使って、
下枝を伸ばさせる目的です。
なるべく低い位置から枝を出させたいため、
このような処理をします。

 
3square下部より伸びだしている枝を剪定する

低い位置より伸びだしている枝はそのまま活かしたいので、
3分の1程度の長さに剪定します。

 
4square完成



『リンゴの鉢栽培 ~果樹盆栽仕立て~』に適した刃物scissors


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