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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

お彼岸時季の園芸作業
   

お彼岸時季の園芸作業


お彼岸の季節が到来しました。種蒔き・植付け・収穫など、待ちかねた園芸のシーズンです。
日の長さでは春と同じように昼と夜の長さが同じなのですが、栽培的には、その意味するところは全く異なります。春の彼岸は、以後、日ごとに昼の時間が長くなり、気温も上昇しますが、秋の彼岸では、日ごとに夜の時間が長くなり、気温は下降します。
こうした気候(環境)の変化に対して植物の反応は、春の場合には生育促進ホルモンが、秋の場合には休眠ホルモンが分泌されると考えると、栽培管理が適切になります。


特に大切なのは気温です。種蒔きや植付けには適期を逃さないようにすることが肝要で、基本的には気温が 15℃以上あるうちに済ませるということが、一つの目安となります。

写真は、この初夏に取木をしたシンパクですが、発根が確認できます。夏のうちに発根していたのですが、25℃以上の高温時に鉢上げすると、根を傷つけたり、株の衰弱を招くので、涼風の9月を待っていたのです。気温の点から見ますと10月が安全ですが、以後の気温が低くて根付きが悪く、寒害の危険性があるので、まだ気温は高めですが、鉢上げ後には涼しい所に置いてやることにして、今月に行います。

鉢は保温・通気・排気の点から見て、鉢の直径と深さがほぼ同じ位の素焼きの鉢が無難でしょう。

次に用土ですが、小盆栽に仕立てる予定なので、赤玉土の小粒を用います。理由としては、観賞の点からが第一ですが、栽培的にも優れているからです。但し、厳寒期には霜柱が出来やすいので、特に小鉢には防寒が必要です。
作業の手順は、先ず親木から外して、乾燥させないように水に沈めて、根に絡まっていない水苔を外します。理想的には水苔を全部外したいところですが、根にくっついているものは残しておきましょう。
とにかく少ない貴重な根ですから、傷めないようにすることが大切です。

植付けは、用意した鉢に根から水分を奪わないように軽く湿らせた用土を円錐状に盛り、その上から根を四方に広げるように跨らせ、更に用土を被せます。根が弱々しく水苔がついているものの場合は、浅植えをしておきます。

植え終わったらヒモで株を縛り、鉢に固定しておきましょう。取り扱いが安全になりますし、株が安定していることは、根付きの何よりの条件ですから。

保管は、半日陰の所に1ヶ月位置いて養生させ、確実に根付いてから栽培棚に置きます。
尚、秋に植え替えた株は、この冬は防寒対策をしてやりましょう。

お彼岸時季の園芸作業 お彼岸時季の園芸作業 お彼岸時季の園芸作業
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