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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

鉢植えリンゴの整姿


庭の隅で面白いリンゴの鉢植えを見つけました。
リンゴはマルバカイドウなどの台木に接木して殖やされますが、
写真のように、この木は2ヶ所で接木されています。

台木はマルバカイドウとして、
その上にもう1つ中間台木が接がれ、
最後に目的の品種(穂木)が接木されているのです。

ぼんやりした記憶ですが、
友人から『「つがる」という品種だよ』といって
頂戴したもののようです。
面白いというのは、台木と中間台木そして穂木から
それぞれ元気な新梢が伸びだしているのです。

▲台木

▲中間台木

▲穂木


来春にはこの新梢でいくつかの試みが出来そうです。
まず台木ですが、古くからミツバカイドウと
マルバカイドウが用いられていますが、
最近はマルバカイドウが多く使われているそうです。
それぞれに特徴がありますが、
マルバカイドウは挿木ができるそうで、
更に穂木の徒長を抑制(矮化)させることも知られています
なのでまず来春は挿木と取木を行い、
それが成功すればマルバカイドウということが
はっきりしますし、
台木をいくつか作ることにもなり
接木(矮性リンゴ)が楽しめます。
次に中間台木ですが、葉や枝の様子からして
栽培品種のようにも思われます。
そしてよく観察してみると、
短い枝先が大きくなっていて、
この夏に花芽分化をしている可能性があります
リンゴも異品種の花粉で受精(結実)する性質が強いので
この中間台木から枝に結実させるだけでなく、
受粉樹としての役割も期待できます
肝心の穂木(「つがる」)の状態ですが
写真のように大きな芽をつけた短い枝(短果枝)が
いくつかあります。

来年は「つがる」を賞味できるかもしれません
台木・中間台木・穂木からの
新梢が、何れも思いがけない楽しみを期待させてくれます。
そのためにも、それぞれが揃って
元気に育ってもらわなければなりません。
そのための手入れを考えてみましょう。

● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ● 
今回は中間台木・台木からの新梢の生育を抑制させないために、
勢いの強い穂木からの新梢を誘引します。


支柱を立てる

まず、誘引作業をするために、 縦横と支柱を立てていきましょう。

まず、誘引作業をするために、 縦横と支柱を立てていきましょう。

支柱と支柱の間は 麻紐でしっかりと固定しておきます。

枝先を下方に向けて誘引する
誘引の方向ですが、 新梢の基部が左右にY字形になるようにしておきます。

四方に広げると場所を広く
占領するからです
狭い庭でたくさんの種類を育てたいものですから。
次に、中間台木・台木の新梢ですが、
こちらはこのまま直立させて育て、充実を図ります。
なお、挿木・取木や生育調節などの作業は、
それぞれ適期にご紹介させて頂きます

『鉢植えリンゴの整姿』に適した刃物
ロングクラフト直刃

ロングクラフト直刃 340H-T
麻紐をカットするときに使用しました
西先生も愛用のはさみです

ロングクラフト直刃 340H-T

● ● 今日の一言 ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●
取材当日8月19日は、
び-っくりするような暑さでした。
西先生も、ARS社員も汗だくでの作業
空にもくもくと入道雲がでてきていて、
まだまだ夏本番の中にいることを実感しました。
みなさまも、たっぷりの水分補給としっかりの睡眠で、
残暑をスキップして乗り切りましょう

PS. 今回1号ははじめて2つの写真を1つにひっつけるという
技を身につけました!きらりん!

2号さん…教えてくれてありがとう~


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