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プロの園芸作業

モモとユスラウメの接木


輝く宝石のような赤や白の実を着けるユスラウメは、
樹形がコンパクトなこともあり、
家庭果樹のレギュラーメンバーとなっています。
それに、最近ではコンパクト(矮性)な樹形となる性質を利用し、
モモをこの木に接木することが行われています。
矮性ということは、場所をとらないだけでなく、
手入れをするにも楽ですから人気があるのでしょう。


種苗会社のカタログなどでも「矮性ネクタリン」とか、
「YD武井白鳳」(モモの品種)などの記載が見られます。
なお、YD苗というのは、樹形がコンパクトになる接木苗ということを表しており、
収穫期が早くなるという利点もあるとされています。
たまたま、梅雨時に取木をしておいたユスラウメが発根してくれているので、
これを台木として、モモの接木をしてみることにします。
接木が失敗した場合でも、2通りの道が残っています。
1つは鉢上げ、もう1つは来年の春、もしくは来年の梅雨~秋に
改めて寄せ接ぎをすることです。
ですので、失敗を恐れず、気楽な気持ちで挑戦してみましょう。
※鉢上げについては「ユスラウメの鉢上げ」で紹介しています。



~ さあ、やってみよー! 『取木した枝の処理』 ~
1square新梢の処理
取木をして新しい根が発生していますが、
たくさんの新梢を養うだけの能力がないので、
写真のように新梢を小さく切り戻しておきます。

2square親木からの切り離し
環状剥皮した部分で切り離します。
▼発根の様子

▼環状剥皮した部分

▼環状剥皮した部分で切り離す

▼切り取ったところ(取木側)

▼切り取ったところ(親木側)

3square親木の処理
親木の方は、樹皮の位置まで切り戻し、
トップジンMなどの癒合剤を塗布しておきます。

4square取木の処理
取木した方は根を傷めないように、
水にしばらく浸けて水苔をほぐれやすくします。

ほぐれやすくなったら、水苔を丁寧に取り除き、
発根している位置まで切り戻してやります。
環状剥皮したときの木質部だけの部分がそのままになっていると、
癒合組織が切り口を包み込んでくれないからです。
切り口には癒合剤を塗布しておきます。
▼水苔をピンセットで丁寧に取り除く

▼異常に盛り上がったカルス(カルス:傷口を防ぐために出てきた組織)

▼カルスが盛り上がりすぎると根が発生できないので取り除く

▼木質部を取り除く


▼切り口に癒合剤を塗布する

5square水苔の補充
取木した枝を親木から切り離したら、
小さく刻んだ水苔を補っておきます。
水切れを防ぐためですが、長い水苔を使った場合には、
接木が成功して鉢上げする時に、
発根した根を傷めず外すことが難しいからです。
もしも水苔がない場合には、鉢上げする際に用いる用土を補っておきます。
地植えする場合には、水苔はそのままにして植付けられますから
補うものはこだわりません。
▼水苔を小さく切り刻む

▼水苔に水分を含ませる
軽く手で揉むようにすると吸い込みやすくなります

▼水苔を補充する前の状態

▼水苔を補充しているところ

▼水苔の補充完了

▼ビニールで包む

▼ビニールの底に穴を開けておく(ムレ防止)



~ さあ、やってみよー! 『接木の要領』 ~
1squareモモとユスラウメの枝の状態
接木する部分ですが、形成層を密着しやすくするため、
接ぎ穂と台木の太さが同じくらいであることが理想的です。

2square固定
接ぎ穂と台木の切り口(形成層)を密着させて、
接木テープなどで固定し、雨水などが接木部に入らないようにしておきます。
▼接ぐ位置に合わせて穂木(モモ)を削る


▼台木(ユスラウメ)も同様に削る

▼形成層を合わせて接木テープで固定する

▼雨水が流れ込まないように、間にも接木テープを通す

▼持たせかけるモモの枝にユスラウメの株を固定して完成



『モモとユスラウメの接木』に適した刃物
scissors今回の作業では、「VSシリーズ」の剪定鋏を使用しました。
アルス剪定鋏の長い歴史の、“最新技術”と“デザイン”を盛込んだ商品です。
▼詳しくはこちら
vs.jpg
scissors水苔を切り刻む作業ではロングクラフトを使いました。
刃長が65mmですので水苔を一度にたくさん切ることができました。
ロングクラフト直刃
ロングクラフト直刃 340H-T
ロングクラフト直刃 340H-T

日付:
作成者 ars_pro
カテゴリー: その他の果樹, モモ・スモモ, 接木, 秋(9~11月)
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