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ベランダでキッチンガーデン | アルスコーポレーション株式会社

プロフィール

畑 明宏(はたあきひろ)

1967年生。兵庫県西宮市出身。ガーデニング研究家。樹木医。
2014年に独立後、奈良市で土壁と木の家に暮らしながら、家族5人分のお米と野菜を自らつくる。
現在はNHKテレビ『ぐるっと関西おひるまえ』にも講師として出演中。
著書「コップひとつからはじめる自給自足の野菜づくり百科」など。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる5つのコツ
   

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる5つのコツ


家庭菜園で育ててみたいものの代表格、イチゴ。そんなイチゴは10月下旬~12月上旬が植え付けのシーズンです。「イチゴをうまく育てるのは難しそう…」と心配になるかもしれませんが、ベランダのプランターでもコツを押さえれば真っ赤に熟したイチゴを収穫できますよ! 今回は育てやすいイチゴの品種やプランターでイチゴを育てるコツを、ガーデニング研究家・畑明宏(はたあきひろ)さんによるイラスト解説でお届けします。

▼前回の記事「バケツ稲の育て方 ~稲刈りとカンタン脱穀~」

◎キッチンガーデンとは?
野菜・くだもの・エディブルフラワー(食べられるお花)・ハーブなどを彩りよく植えた、”見る”と“食べる”が楽しめるお庭のこと。この連載ではベランダで無理なくできるビギナー向けキッチンガーデンのアイディアをたくさん紹介していきます!

《目次》


1.イチゴ(いちご・苺)について

2.イチゴ(いちご・苺)のおすすめ品種と苗の選び方

3.イチゴ(いちご・苺)の育て方

4.5つのコツのまとめ&自家製イチゴの美味しいいただき方

5.刃物のソムリエ・アルスケのオススメ道具

6.今回のおさらいと次回の予告


今回は、イチゴをベランダで上手に育てる方法をお教えします!

イチゴのケーキ、めっちゃ好き!

でも、イチゴの栽培ってちょっと難しそう…。 初心者でも上手にイチゴを育てられますか?

確かにイチゴ栽培の失敗談はよく耳にしますね。ですが、ちょっとしたポイントを押さえればベランダのプランターでも真っ赤なイチゴを収穫できますよ!

真っ赤なイチゴの育て方、教えてください!

イチゴ(いちご・苺)について

🍓イチゴの赤い部分は「実」じゃない!

イチゴ(いちご・苺)はバラ科の植物。じつはイチゴと聞いて思い浮かべる赤い部分は果実ではなく、雄しべの土台となる「花托(かたく)」と呼ばれるもので、イチゴの「実」にあたるのは種のように見えるツブツブなのです。また、甘みがあるため果物としても扱われますが、木の実ではなく草の実なので、野菜として位置づけられることもあります。

🍓イチゴの旬は?

冬になるとイチゴを使ったお菓子やコンビニスイーツが登場し、何といっても冬の大イベントであるクリスマスのケーキはイチゴのショートケーキが定番です。そのためなんとなく「イチゴは寒い時期が旬なのかな?」と思いがちですが、じつはお庭やベランダなどで育てる露地栽培(ろじさいばい/温室ではないところ)では、5月がイチゴの収穫シーズン。プランター栽培をする場合の大まかな栽培スケジュールは下記のようになっています。

  • 10月下旬~12月上旬 植え付け
  • 3月~5月 開花
  • 4月~5月 収穫

🍓イチゴの好む栽培環境は?

現在広く流通しているイチゴは18世紀のオランダ生まれ。17~20℃と冷涼な気候を好みます。乾燥は苦手なため、土の表面が乾いたらたっぷり水やりをしましょう。日あたりを好むので一日4~5時間以上は日の当たる場所に置いてあげるのが理想です。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_イチゴのイラスト

◎プランターでイチゴを育てるおおまかな流れ

🍓おおまかな流れ
・イチゴの苗を購入する
・イチゴの苗を植え付ける
・水やりをする
・追肥をする
・収穫

\ イチゴに関する西先生のコラムはこちら! /

イチゴ(いちご・苺)のおすすめ品種と苗の選び方

ここで、イチゴをプランターで育てるコツ①をご紹介します!

💡コツ① プランター栽培向きの品種を選ぼう!

お庭やベランダのプランターでイチゴを育てるコツは、露地栽培で育てるのに向いた品種を選ぶこと。私たちがスーパーや八百屋さんで目にするイチゴの品種のほとんどは温室栽培向きです。そのため知っている品種の苗を購入しても家庭菜園でうまく育てられず、「イチゴって難しい…」となりがちなのです。

🍓プランター栽培にベストな品種は?

現在日本のイチゴの品種は100種類以上ありますが、その中で家庭菜園に最も向いているのは露地栽培向けに交配された「宝交早生(ほうこうわせ)」という品種です。1960年に「八雲(幸玉)」と「タホー」というイチゴを掛け合わせた品種で 、宝塚市で交配されたので「宝交(ほうこう)」と命名されたそうです。食感がしっかりしており、香りや甘みもよく、家庭菜園に大変向いています。

🍓「宝交早生」の苗の選び方

「宝交早生」は園芸店やホームセンターで購入できます。購入するときは以下のポイントを参考に選んでみてください。特に 「クラウン」と葉が大きいものを選ぶようにしましょう。

  • 「クラウン」が太くて地面から出ている
  • 葉が3~4枚ついている
  • 葉に斑点などの病気が出ていない
  • 「ランナー(の切れ端)」が付いている
  • 水切れしていない(ランナーが枯れていない)
イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_クラウンとランナーの説明写真

クラウン・・・(イチゴの場合)地際にある節間が短くなって肥大した茎のこと。

ランナー・・・イチゴなど、親株からツルを横に伸ばして子株をつくる植物の、ツルの部分のこと。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_クラウンとランナーの説明イラスト

イチゴ(いちご・苺)の育て方

イチゴ(宝交早生)の苗は12月上旬までを目安に植え付けましょう。日あたりの良い環境を好むので、明るい場所に置いてあげてください。

✍準備するもの


・イチゴ(宝交早生/ほうこうわせ)の苗

・プランター・・・深さ15㎝以上あればOK

・鉢底石(赤玉土の大粒でも可)

・園芸土(肥料入り)

・バーク堆肥

・大粒か中粒の発酵油粕(はっこうあぶらかす)

・園芸用具(グローブ・収穫はさみなど)

✍プランターの準備


まずは、プランターの準備をしましょう。プランターの底が隠れるくらい鉢底石を入れ、次に9分目まで園芸用土を入れてください。土が湿っていない場合は十分湿らせましょう。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_プランターの準備

✍イチゴ(宝交早生)の苗を植え付ける


プランターの準備ができたらイラストのようにイチゴの苗を植え付けます。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_植え付け方のイラスト

ここでコツ②③が登場です!

💡コツ② 「クラウン」を埋めないよう注意!

植え付け時に最も大切なポイントは、「クラウン」を埋めないようにすることです。クラウンは茎や葉と同じ、地上に出しておかなければならない部分。クラウンを埋めてしまうと苗が枯れることがあります。

💡コツ③ イチゴの苗はプランターの縁に!

イチゴを育てるうえで心配な病害虫にナメクジの発生がありますが、苗をプランターの縁に沿って植えるとイチゴが空中にぶら下がって実るため、ナメクジの被害を受けにくくすることができます。

また、ランナーの反対側に実が着くので、収穫しやすい向きで植え付けましょう。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_コツ③植付けはプランターの縁に

✍水のやり方


地表面が乾いたら、たっぷりと水をやりましょう。プランターの底から流れるくらいが目安です。鉢底にレンガなどを敷くと風通しがよくなりますよ。

4つ目のコツは肥料の与え方です!

💡コツ④ 肥料(追肥)を与えるのは3月まで!


追肥は、固形状(大粒・中粒)の醗酵油粕を3週間に1回与えましょう。追肥のあとはバーク堆肥を敷き詰め地表面が見えないようにしてください。 醗酵油粕を与えるのは3月までにしましょう。4月以降は肥料を与えると栄養が過剰になって実がつきにくくなってしまうので、肥料を与えすぎないようにしてください。

✍寒さ対策について


温室で育てるのが一般的ならイチゴは寒さに弱いのでは?と思われるかもしれませんが、温室で育てるのは促成栽培(※)のため。イチゴは冷涼な気候を好むので、寒さ対策は不要です。冬の寒さを経験しないイチゴは却って実がつきにくくなってしまいます。

※促成栽培・・・露地栽培よりも早く生長させ、出荷時期を早くする栽培方法のこと。

✍病害虫対策


イチゴの病害虫で心配なのは、アブラムシとナメクジ。ナメクジは水をやりすぎると発生してしまいます。水やりは、必ず地表面がしっかり乾ききったタイミングで行いましょう。イチゴは乾燥を嫌うので、地表面が乾いていればたっぷり水をやってOKです。アブラムシは、もし発生してしまったら水で洗い流すようにしましょう。

✍イチゴの収穫


イチゴは3~5月にかけて花が咲き、4月頃から実りはじめます。実が赤くなったものから順次ハサミで収穫しましょう。また、実を鳥に狙われそうな場合は必要に応じてネット等で鳥除けしてください。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_イチゴの写真
畑さんの育てたイチゴ。真っ赤でおいしそう!

\ 鳥の被害対策の記事はこちら! /

ここで最後のコツ⑤です!

💡コツ⑤ 「ランナー」を取り除こう!


花がついて実がなりだしたら「ランナー(ひげのような茎)」がたくさん発生します。収穫をしながらランナーも取り除くと、花や実に栄養が集中して美味しいイチゴになりますよ!

イチゴの収穫&ランナーの除去には【Gクラシック】ファミリーデラックスがオススメです!

Gクラシックファミリーデラックス

5つのコツのまとめ&自家製イチゴの美味しい頂き方

今回ご紹介した、イチゴをプランターで育てる5つのコツはこちら。

💡イチゴをプランターで育てる5つのコツ

1.プランター栽培向きの「宝交早生(ほうこうわせ)」を選ぶ

2.植付け時「クラウン」を埋めないようにする

3.イチゴの苗をプランターの縁に植えてナメクジ被害を防ぐ

4.肥料(追肥)を与えるのは3月までにする

5.実がついたら「ランナー」を取り除いて栄養を集中させる

この5つのコツを押さえるのが、プランターで上手にイチゴを育てる近道です!

🍓自家製イチゴの楽しみ方

自家製イチゴで一番贅沢なのは、お店で買うときには味わえない「採れたてイチゴの香り」を楽しめること。形や甘さは市販品にかなわなくても、採れたてのイチゴの香りは最高ですよ! 写真は我が家の自家製イチゴケーキです。

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_イチゴのケーキの写真

おいしそう~~!!!

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_イチゴを持った畑さんの写真
畑さんの自家製イチゴ、とってもきれいな赤色です!

刃物のソムリエ・アルスケのオススメ道具

「こんにちは。刃物ソムリエのアルスケです! 今回の作業にオススメの刃物をご紹介します。」

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GC-140

全長 190mm/刃長 42mm/質量 135g

●高炭素刃物鋼 ●ハードクローム仕上げ ●安全ストッパー付 ●刃カバー付

今回のおさらいと次回の予告

今回は、イチゴの育て方をお届けしました。

家庭菜園でイチゴを育てるのは、ガーデニングビギナーさんがやってみたいことの一つ。ぜひコツを押さえて、美味しくかわいい真っ赤なイチゴを収穫しましょう!

真っ赤な完熟イチゴを目指して頑張ります!

次回は「冬のエディブルフラワーの育て方」をお届けします。お楽しみに!

▷次回【 冬のエディブルフラワーの育て方 】につづく


ここまでお読みいただきありがとうございます。

11月も半ば、いよいよ今年も終わりに近づいてきました。アルススタッフも慌ただしい毎日を過ごしていますが、その分体調管理には気を付けたいですね。

アルスケ、はさみのメンテナンスをしました! 

イチゴ(いちご・苺)をプランターで育てる4つのコツ_アルスケの近況

こちらのInstagram投稿にて刃物クリーナーを使ったお掃除の様子をお届け中です。ぜひご覧ください!

▽剪定シーズン前に!「剪定ばさみのオススメ5選」はこちら

それでは、次回をお楽しみに!

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\ はたさんとアルスケのチョキチョキライフ /

はたさんとアルスケのチョキチョキライフ~ベランダでキッチンガーデン~第一話はこちら

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