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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

スモモの台木利用


スモモを鉢植えしていたのですが、突然枯死してしまいました。
そこで鉢から出して庭の隅に置いておいたところ、写真のように台木から新芽が伸びだしています。


スモモの台木として、特別な種類もありますが、
手近なものとして実生を用いることができますし、
モモやウメなどとも親和性があります。
特にモモは親和性が高く広く用いられているようです。
ただ、モモ台木は排水の悪い環境では生育が良くないこと、
寒冷地には適さない性質を持っています。
最近注目されているのが、「おはつもも」(モモ)です。
根の生長が旺盛なだけでなく、
ネコブセンチュウにも強い性質を持っているそうです。
さて我が家のこの台木は何でしょう?と気になりますが、
台木として非常に丈夫なことは間違いないようです。
そこで、まず台木養成とし、面白い形をしているものは
鉢植えとして、「果樹盆栽」素材として養成することにします。

● ● ●  さあ、やってみよー!  ● ● ● ● ● ●
【 根の観察 】
栽培というのは、その植物の望みを叶えてあげることです。
まず、台木の様子をしっかりと観察しましょう。
根を乾燥させないように注意しながら、
用土を落とし根の状態を見てみました。そこで、興味深いことに気づきました。
根から発芽しているのです。この性質を利用して、一工夫できそうです。

【 植付け 】
理想的な移植や植付けは、発芽(根)直前が理想的です。
しかし、すでに発芽している株の株分け・植付けには
相当な注意が必要です。最も大切なのは、樹液の流出の問題です。
以下の写真を例に考えてみましょう。
▼全体

▼根の形

これは、根の部分が面白い曲線的な形をしているので、「果樹盆栽」として育ててみることにします。ところが、その幹は直線的な伸びをしており、根の部分とは異質な感じです。

盆栽仕立てでは、「立ち上がり」(「根張り」から「一の枝」までの状態)からの流れに沿った伸びが続くようにしたいので、直線的な部分を外す必要があります。
ところが今、その位置で切り取りますと、樹液の流れが本格的になっているので、樹液のロスになってしまいます。また、切り口の治癒が順調に行われず、
結果として期待した部分からの新梢の発生が、得られなくなる可能性も高くなります。

▼植付け完了

また、根の部分から発芽することがわかりましたので、
曲線的で「果樹盆栽」として育成できそうな根を挿木しておくことにします。

▼根挿し用の根

▼植付け完了

下の写真は一昨年に根を鉢植え(挿木)しておいたものですが、
新梢が何本か伸びだしています。
直線的な幹の部分は接木の台木とし、
曲線的な根の部分は「果樹盆栽」の苗木としたいところです。




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