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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

カキの若木の整姿


写真は、市販の一年生苗木を数年鉢植えで育て、
2年前にここに植えたものです。
うまく根付いたのか、昨年にはしっかりした
新梢ができています。
そこで今後どのように育てるかを考えて、
基本となる樹形を整えることにします。

カキの樹形としては、
主幹形・変速主幹形・開心自然形
がよくみられます。
得に主幹形は、本来の性質、つまり根が深く伸び幹が高く
伸び上がる樹形なので、理想的なのです。
しかし狭い家庭の庭では場所的・管理の点から無理なことが多く、
さっきの三番目の開心自然形がよく選ばれるのでしょう。
こうした樹形だと収穫量は少なくなりますが、
場所をとらず手入れにも好都合です。
もしも斜面であればオールバック仕立てと
してもよいのではないでしょうか
苗木から安定した樹形になるまでには
約10年は必要といわれます。
整姿の要領としては、
■1~2年目は直立した枝だけでなく、
小枝も先端部を摘み取って、枝数を増やしておきます。
■3年目あたりから、主枝となる枝を3~4本選び整える、
というのが無難な方法です。
今回はその主枝を整える作業です。


さあやってみましょう!

まず考えられるのは、梯子などを使わなくても
手入れ・収穫のできる盃状形です。
その場合にはしっかりした枝を3本くらい選びます。
しっかりした枝の選び方として、
昨年一番伸びた枝が強いので、それらを残すことにしました。

そして今年の生育を良くし、場所をとらないように
するには主枝の先端部を上に向けておきます。
支柱を立て、主枝を妨げる枝を摘み取ります。

剪定の時期からは外れていますが、
この時期の枝は樹液が多く、柔らかくなっていますので
作業がしやすいでしょう。

どんどん作業していきます。
この日は気温は低いですがお天気が良く、ひなたは春の暖かさでした



2本目の支柱を立てました。

どんどん枝を剪定していきます。

3本目の支柱を立てます。かなりすっきりしてきましたね。

これで盃状形ができました!
支柱をつけた、これから伸ばしたい枝には切り戻しを行い、
実をつけさせるため残した枝はそのままにしています。
次の候補としてはY字型仕立てです。
隣にウメが植わっているのですが、
これも活かしたいことからカキも少し考慮してこの樹形とします。
盃状形からY字仕立てへ変更していきます!

ポイント
◎今年結実させたい枝(結果母枝)と伸ばしたい枝を決めます
結実させたい枝は放任しておきます。
といいますのは、カキの花芽(結果枝を出す芽)は
昨年充実した生育をした枝の先端部についているからです。
◎伸ばす枝は切り戻します
放っておくと結実してしまい、伸びが止まってしまいます。
カキに限ったことではありませんが、
強い新梢を伸ばしたい場合、あるいは若返らせたい場合には、
切り戻すということです。

Y字型の枝(伸ばしたい枝)と結果母枝(今年結実させたい枝)ができました。
支柱で2本の枝を支えます。

Y字形仕立ての完成です!


地上部が少なくなったので、
根がそれと同じ位まで傷んでも大丈夫です。
有機物を中心とした元肥を入れたり、
液体肥料を芽出し肥として与えるのもよいでしょう。
これにて作業は終了です。
お疲れ様でした。


『カキの若木の整姿』に適した刃物

今回の作業では、「VSシリーズ」の剪定鋏を使用しました。
アルス剪定鋏の長い歴史の、“最新技術”と“デザイン”を盛込んだ商品です。
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今日のひとこと
3月に入り、まだまだ寒い日が続きますがふとした時に
春の気配があちこちから感じられるようになってきました。
植物たちのほうが春の気配に敏感なようで・・・。

ふきのとうを見ると春だな~感じます。
そんなわたしは早く満開の桜の下でお花見がしたいです
新入社員2号でした。


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