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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

枝垂れモモの魅力


枝垂れモモの「照手水蜜(テルテスイミツ)」と「ひなのたき」という品種を入手しました。
枝垂れモモは果実が小さいので、果樹としてではなく多くの場合鑑賞目的で栽培されてきました。
ところが、最近注目されている
「ひなのたき」はピンクの花が3週間も楽しめ、果実も150グラムあって美味だというので取り寄せたのです。


それにモモは生長が旺盛なので、
狭い庭では・・・と果樹のモモはちょっと敬遠していたのですが、
枝垂れモモは下の写真のように新梢は夏までに枝垂れるので、
枝先は元気を失い徒長しません。

また、下の写真のように枝先は衰弱して枯死しています。

当然樹形はコンパクトになります。
それに昨年容器に植え付けたのですが、
去年の新梢にたくさん花芽をつけています。
さまざまな芽の種類を見てみると…

こちらは芽がみっつ!
真ん中は葉芽で、両脇は花芽となっています。

芽が2つのも…!

こちはら芽が1つです。
ふんわりと膨らんでいますね。

これは葉芽。
将来きれいな緑色の葉っぱとなりますよう。
さてこれからの手入れですが、
木を早く落ち着かせてやりたいと思います。
若木はまず栄養成長(枝葉繁茂・樹体の充実)を優先して、
生殖生長(開花・結実)が後回しになりがちです。
早く木を成熟させる方法としては、以下の6つが挙げられます◎

蕾の処理

現在たくさん着いている蕾はそのままにし、
開花させることにします。
開花・結実は木にとっては大変な負担となります。
当然、新梢の徒長は抑制されるはずです。

人工受粉

果実を着けるには、受精をさせなければなりません。
ところがモモも他の果樹と同様に、
自分の花の花粉では受精しにくい性質を持っています。
特に今年のように天候不順の春には、
昆虫の活動が遅れ、
授粉を十分に行ってくれないことも考えられます。
ここは少し手間が掛かりますが、
乾いた筆や耳かきにほかの木
(異品種:白鳳・大久保・清水白桃などの花粉の多い品種)
の花粉をめしべの柱頭に着けて授粉をしてやることにします。
もちろん若木ですから果実の着く可能性は低いでしょうが。

肥料を控える

良く肥えた所に植えると、
根が良く茂って徒長枝を発生させます。
今回は容器栽培ですから、
地植えの場合よりも管理が簡単です。
肥料が多いと、葉は濃緑色になります。
肥料等に窒素肥料を控えて、
葉色を淡い緑色の感じに保ってやります。

夏は乾燥気味にする

花芽は夏に伸長を停止している枝に着きます。
夏も涼しい環境で肥料や水を十分に貰っている木は
伸長を続けるものです。
夏の高温乾燥はモモにとっても辛いことでしょうが、
そうした厳しい環境の中で花芽分化をするのがモモなんです。
灌水の時期は、用土の表面が白く乾き、
葉が少し萎れ掛けた時に行います。

強剪定をしない

枝を強く切り込むと、徒長枝が発生しやすくなります。

植物成長調整剤

「Bナイン」など成長抑制剤を用いることもできます。
今回は、いかに成長を抑制し、
木を早く落ち着かせるかという観点から書いてきましたが、
逆に木をもっと大きく成長させたいときは
下の写真のように支柱などを挿して、
枝を大きく伸ばしてゆくと効果的です◎





*編集後記*

この日、西先生のお庭では
桜の花が満開でした◎
写真の桜は、中国の桜だそう。
わたしも珍しい桜の花だなあ…と
ついつい見入ってシャッターをパシャリ。
一気に春の気分に触れて、
今回の作業では、
脳内にて『春の歌』(POSSESSION 80.2 POR CENTO)
(fm802にて行きの車で流れていたので!)
がフル再生されていた次第でございます(笑)
近所の公園でも桜のライトアップの準備が
着々と整ってきて、
いよいよお花見シーズン到来といったところです。
みなさまは、お花見ゆかれますか^^?
それぞれの場所で、それぞれの素敵な春をお過ごし下さい。
新入社員(あと1ヶ月、この枕詞使わせてください!)1号


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