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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

ブドウの植付け
   

ブドウの植付け


今月から来月にかけては、落葉樹の植付け・移植の適期です。常緑樹に比べて、落葉樹は環境の変化に敏感に反応し、生育パターンが顕著に変化します。基本的には、長日・温暖では生長ホルモンが、短日・低温では休眠ホルモンが生成されるので、今月は休眠に入る時季となります。

ブドウの場合、地方によって多少違いますが、目安として4~5月が発芽・展葉、6・7月が開花結果、7・8月が果実肥大、9・10月が養分蓄積、 11~3月が休眠期です。
地上部を見た感じでは、すっかり活動を停止しているようですが、地中では根の活動が確りと続いています。
端的に言えば、枝と根の生長は交互といってもよい位で、新梢が旺盛な生長をしている4~7月は根の生長は緩やかで、枝の伸びが止まる8月から本格的な根の生長が始まると言ってもよいのです。

そして、9~10月が養分蓄積期なので、根の生長も少なくなり、11月から再び根の活動が盛んになります。
この時期は葉が黄変・落葉するので、根を損傷しても株の衰弱は少なく、回復も早いので、移植・植付けの適期となる訳です。

「苗半作」と言われるように、良い苗木の入手が肝心なんですが、最近はポット植えの苗木が出回っているので、根に関してはあまり心配なく、後は株の充実・病害虫(主にブドウスカシバ)の有無の点検です。
特に若い果樹の苗木の場合には、植付けてから収穫までに年数を要しますので、目的としている品種か否かを確認することが大切です。

一般に、結実した状態を示した、カラー印刷のラベルが付けられていますが、信頼出来る所で入手したり、少し高価ですがポットで2年以上栽培され、果実の付いている株を入手するなど、念には念を入れたいところです。

さて、スタートが肝心なので、庭に植える場合には、確りと植え穴を掘って元肥を入れておきましょう。
普通の家庭の庭であれば、根は庭一面に広がりたい位ですから、植え穴は出来るだけ大きく掘ってやりたいもので、少なくとも直径・深さ共に40センチメートル以上を目安とします。

鉢植えの場合の注意としては、ブドウは8~1月にかけて、自発休眠に入る性質があることです。この間は低温が必要なので、落葉している間は、戸外に置いて自然に発芽を待つことが安全です。
ビニルハウスなどで促成栽培する場合には、自然休眠が終わった時期に、更に休眠打破剤を用いて発芽を促進させる程です。
肥料は来春早々、発芽に先立って液体肥料を与えるのが効果的です。


<植付け手順>

  1. 植え穴を掘る。(径・深さ共に約40センチ)
  2.  有機質肥料(鶏糞)を入れる。(同時にオルトラン等で害虫予防策も)
  3.  土を5センチ位戻す。(根に直接肥料が触れないようにする為)
  4. 苗を置く。(植え戻した時に、鉢土の表面が地面と同じ位になるように)
  5.  用土を入れる。
  6. 水鉢を作る。(水が溜まるようにしておく)
  7. 潅水。(水で全体の土を落ち着かせ、鉢土と一体にさせる)
  8. 支柱を立てる。(もう一度、潅水をすると理想的)
  9.  苗木に付いているラベルを支柱に移す。(苗木の生長に伴い、紐や針金が食い込むので)
  10. ラベルを挿す。(土中に入れておくと長期間名前が消えない)

  11. 支柱にラベルを付け替え、苗木を支柱に括る

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