デコポンの地上部(特に果実)は養分を引きつける力(シンクカ)が強く、
そのため根への養分分配が後回しになり、
根の発達か十分行われない傾向があるそうです。
結果、樹形の割に根が貧弱ということが起こりがちになります。
ですから、栽培にあたっては、
できるだけ根の生長を促すことを優先してやりましょう。
さて、春を迎えて根が活動を開始していますので、
「芽(根)出し肥」を与えてやりましょう。
特に土壌が乾燥している場合には、灌水を兼ねて
薄い液体肥料か効果的でしょう。
肥料は根の活動に応じて与えるのが効率的です。
デコポンの場合は、根が旺盛な活動をするのは7~10月だそうです。
地上部を見ていますと、春から盛んに新梢を伸ばしていますから、
根の活動は一足遅れているような感じです。
もう一つ、デコポンの栽培で注意しなければならないのが、
根の発生が盛んに行われず、通気排水も悪い場合、
細根が枯死しやすい性質をもっているということです。
この事象は、特に夏から秋に発生しやすく、
発生すると、当然生育不良となり葉が黄変します。
そこで今回は施肥と土壌改良を兼ねて、
局所深耕施肥を試みることにします。
<さあ、やってみよー!>
穴を掘る
根を傷めない場所を選んでスコップで40cmくらいのタテ穴を掘ります。
有機質肥料を入れる
化成肥料を混ぜた有機質肥料(鶏糞を中心)を入れます。
土を入れる
今回は日向土を入れました。
通気排水がよい土壌の場合は、そのまま土を戻してもOKです。
土壌改良が必要な場合には、日向土、パーライトなど
通気排水のよい改良材で穴を蓋いでやります。
敷き藁をする
穴の表土をしっかり敷き藁(ピートモス)で覆います。
敷き藁は雑草・土壌固結・乾燥防止になります。
それに、夏の乾燥がひどい場合には、
掘った部分は透水がよいので、土壌深部に給水するのにも役立ちます。
これで夏には有機質肥料が利用されるでしょうし、
それまでは即効性の化成肥料が効くことでしょう。
根の活動が盛んな時季は新梢(夏枝・秋枝)の発生も盛んになりますが、
あまり夏枝・秋枝は発生してほしくないので、
有機質肥料がゆっくり効いてくれるよう願っています。
施肥と一緒に、茂りすぎている枝の剪定も行って、
根の負担を軽くしてやりましょう。
デコポンは新梢の先端部に小枝が群がるように伸びだします。
放っておくとこれらに蕾が着くかもしれません。
そうなったら大変な養分の無駄遣いになります。
今回は、痩せた枝、凍傷を起こした枝、葉を落とした枝などは間引き、
将来、結果母枝になりそうな枝を残しました。
ただし、柑橘類はあまり剪定しすぎると、
幹に直射日光が当たり、焼けてしまいます。
葉を落とし過ぎないように注意しましょう。
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