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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

灌水の省力化(夏休みのために)
   

灌水の省力化(夏休みのために)



「鉢植したものは、夏によく枯らす」と言われます。

主な原因は栽培環境の高温・乾燥・強光・風でしょう。

それに夏は旅行などで灌水が不十分となり枯死することもあります。

そこで今回は、留守中の灌水不足を補う方法をご紹介します。

一番簡単なのは、お風呂場に入れてやることでしょうか。

ここは冷涼・日陰・多湿・無風と
乾燥防止には最高の環境です

ただし、環境の変化に敏感に反応する草花などは、
1週間以上ここに置いておくのは危険ですので、
十分注意してください

また、家の北側の軒下も最適な環境です。

ここは、強い日差しがなく、
しかも夏にはかなりの明るさ(照度)があり、
1週間以上置かれていても
たいていの植物は異常を生じないでしょう。

どの場所でも、防風・遮光ということで、
ヨシズなどで囲ってやるのは効果的な方法だと言えます

その他、効果的な方法として今回は4つご紹介します。

● ● ● ● ● ● ● さあ、やってみよ~!● ● ● ● ● ● ● ● ●

ポリ袋で鉢ごと包む

樹木類では透明なポリ袋に鉢ごと入れて、
外気との接触を防ぎ乾燥させない方法があります。

よく「緑枝接ぎ」などで行われる方法で、
1ヶ月以上もこのまま置くことができます。

ただし、完全に密封するのではなく
少し通気が可能な状態にしておく方が安全でしょう
完全に密封した場合、
強い日差しが当たると内部が外気温の2倍にもなり、
植物が枯死する可能性があるからです
下のように、少し穴を開けておきます。

このまま、紐で袋を結びましょう

置き場所としては、
直射日光の当たらないところを選ぶようにしてください
地面に埋める

長く鉢(容器)で栽培されていて、
根が用土をすっかり包み込んでいるような状態の場合には、
鉢から株を抜き取って地面に埋めて灌水をするのも
安全な方法です。

ただし、この状態で長期間放任しておくと
新根が伸び出してきますから、1週間以内に元の鉢に戻してやりましょう

地面に穴を掘ります。

鉢から取り出した株を埋めます。

土をかぶせて。。。

下の写真のように少し土を盛り上げ、防波堤のような形にします

そうすることで水が四方に流れることを防ぐことができました。

受け皿に入れる

鉢穴から水分が用土に送り込まれるようにしてやる方法です。

水を深くしてやると、
その分だけ灌水をしなくてよい訳ですが、
長期になるほど根が大きく変調を起こします

根は吸水だけでなく、
呼吸・排泄・伸長などの作用が行われていますから、
栽培柵(空中)で栽培されていたものが、
突如として水中に入れられることで、変調が起きるのです。

そのため、まず1週間以内には根が呼吸できるようにしてやりましょう

鉢に土を入れます。

今回は、通気性・保水性が高い鹿沼土を選びました。

株を置きます。

また、最後に水をやっておいてくださいね
プランターの利用

よく用いられている長方形のプランターも重宝します。

これに鉢物を入れて、
保水のために赤玉土またはピートモスなどの用土で
隙間を埋めて灌水しておくのです。

更に下部の排水穴を防ぐことで、
水分をたくさん確保することもできます

今回はピートモスを敷きました。

本日の作業はこれにて終了です。

夏休みにて少し家を留守にするけれども、
水やりが心配という場合は、今回の記事を参考にされてくださいね


『 灌水の省力化(夏休みのために) 』に適した刃物
麻紐のカットでは、クラフトチョキを使いました◎
ソフトグリップで長時間の使用でも手が疲れにくい仕様です!

★★★今日のひとこと★★★

みーんみんみんみん・・・
朝早くから蝉の声で起きるこの頃。

いよいよ夏ですね。本番ですね。

葉っぱの上や木の枝に
蝉の抜け殻を見つけたのに、
小学校の頃みたいに、やったー!と勢いづいて
手で触ることができず、、、
ふと無邪気さが薄れていっていることを、どかんと感じてしまい、
切なさがよぎった夏のはじまりです。
兎にも角にも、大阪は暑い日が続いております。

楽しい夏にするためにも、
水分補給や帽子など、日差しのじりじりに負けぬよう
十分ご注意くださいね


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