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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

室内での防寒対策
   

室内での防寒対策


鉢植え植物の越冬では、根を冷やさないことが肝心です。
わが国の場合、地面に植わっている状態では、温かい地面に根は保護されています。ところが鉢植えでは気温が直接に鉢や用土に接するので、根は低温に晒されることになります。

家庭での環境は、人が起きている間は暖房しているのですが、就寝から起床の間は無暖房状態となり、凍傷を起こすことが多いようです。
特に窓辺に置いた鉢物は危険です。窓辺に置く場合には、ガラス面から30cm以上離しておくのが目安です。

室内に持ち込む際には、水漏れ防止と美観を兼ねて化粧鉢に入れておくことが、用土の保温にも役立ちます。さらに、化粧鉢との隙間に保温材を入れておくと、より安全です。
化粧鉢の場合に注意しなければならないのは、鉢底に水が溜まることです。そのままでは、根腐れや寒害を起こし易いので、ぜひ捨ててやりましょう。
もしも捨てられない場合には、化粧鉢の底に清潔な砂や粗いバーライトなどを敷いておき、鉢穴が水中に沈まないようにしてください。これで根の窒息防止にもなります。

さらに、木炭や活性炭、あるいはソフトシリカなど、用土や水の変質防止剤を用いることも考えられます。
このような素材が入手できない場合には、鉢自体を新聞紙などで包んでおくだけでも、ずいぶん効果があります。サンスベリアなどの多肉の植物で乾燥に強いものは、鉢から抜き取って新聞紙などで株全体を包み、室内の温かい所に置いて越冬する方法もあります。

寒害は温度だけではなく、風も悪影響を与えます。
空気の移動しない所に置いて、出来るだけ温度を変化させないようにします。
よく、日中は日当たりの良い所に置いて、夜は室内に取り入れているのを見かけますが、これは危険です。というのも、取り入れるのを忘れるのを別としても、昼と夜の温度差が大きい程、植物は疲労し耐寒力が低下するのです。
また、鉢をすっぽりポリ袋などで包んでいるのも見かけますが、この場合には、小さい穴を開けるなどして隙間を作り、空気が通うようにしておきます。密閉しておくと、日光が当たると急激に気温が上がりますので、日没後の冷え込みとの繰り返しで株が衰弱する原因となります。

寒害は凍傷だけではなく、株の衰弱を引き起こして、春の発芽が非常に遅れたり、弱ったりして、開花結実に大きな影響を及ぼすことがあります。
どのような植物も、室内は快適な環境ではない筈です。

基本的には、なるべく室内への搬入は遅くし、春には霜・寒風に注意しながら、早く戸外に出してあげることです。


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