アルスコーポレーション株式会社

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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

ブドウの短梢仕立て

昨年、ベランダの西日を防ぐために、ブドウ(品種:ネオマスカット)で緑のカーテンをつくりました。
緑陰と果実を楽しもうとしたのですが、緑陰を重視したことから、新梢を多く残してしまい、大切な結果母枝の充実をさせることができませんでした。
新梢の充実度は、「太くて節間が間延びしていないこと」で判断できますが、秋になっても緑が残っている枝がありました。

このような生育遅れの枝は結果母枝になるどころか
越冬も難しいものです。そこで、新年は果実の収穫を優先した管理をすることにしました。

一つの果房を正常に育てるためには、約15枚の葉が必要とされています。果房をつけている新梢に、15枚以上の葉がついているのが確かな状態ですが、果房をつけていない新梢からの養分供給もあるので、必ずしも刃が15枚ついていなくても、果房は成熟してくれます。

一般的には、結果枝は2mくらい伸ばし、葉を20枚くらいつけるのを目安としますが、結果枝を1~1.2mと短くする「短梢栽培」も行われています。
これは、1結果枝に1果房とするのですが、小さな庭での家庭園芸では重宝な栽培法です。

写真が、現在のブドウの様子です。
茂らせすぎて、痩せた枝がたくさん伸びていますが、
これらを整理して、しっかりとした主枝を確保することにします。幸い、強い枝がありますので、これを中心として樹形を作ることにします。

● ● ●  さあ、やってみよー!  ● ● ● ● ● ●

まずは、交差している主枝を整理します
▼丸で囲んだ枝が交差していますので、外します

▼外したところ(部分)

▼外したところ(全体)

剪定
できれば、強い枝を主枝として
何本かの結果枝を伸ばしたいところですが、
樹勢を早く回復したいので「2芽剪定」とします。

【その1】主枝から結果枝が1本のみ出ている場合

▼丸で囲んだ枝を剪定します

▼主枝から2芽を残して、3つめの芽のうえで剪定します
(3芽を犠牲にする)

▼剪定を終えたところ

【その2】主枝から結果枝が複数本出ている場合

▼主枝から結果枝が複数本出ています

▼弱い方の枝を外します

▼外したところ

▼残した結果枝を2芽剪定します
(主枝から2芽を残して、3つめの芽のうえで剪定)

▼剪定したところ

作業完了

● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ● ●

このような強剪定をすると、
不定芽が伸び出すものですが、
それはその都度、掻き取ることにします。
ブドウの剪定で注意したいのは、
樹液が流れだすのが非常に早いということです。
それに樹液が流れだすと、
切り口がなかなか塞がりません。
当然のことですが、株の衰弱に直結します。
せひ、寒中に剪定は済ませておきましょう。
それに、剪定作業は、単に枝を切るだけではなく、
健康診断の機会です。
一番注意しなければならないのは、
ブドウスカシバの寄生です。
この幼虫が枝にくい込みますと、
その部分が腫れたように膨らみます。
見逃すとどんどん枝の基部に向かって食害し、
大枝すら枯らしてしまうことがあります。
被害部は切除しておきましょう。

▼ブドウスカシバが寄生した枝
枝の一部が膨らんでいます・・・。

内部にはブドウスカシバの幼虫が潜んでいます!

病気では「黒とう病」が大敵です。
石灰硫黄合剤が入手できれば防除が確実なのですが、
ジマンダイセン水和剤やボルドー液の散布も有効です。


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編集後記
新年あけましておめでとうございます。
お正月休みにはおせちやお雑煮、みかん、
初詣に出かけては屋台食べ歩き・・・
と着実に(横への)成長を遂げました。
西先生宅や会社での園芸作業に励んで、
これ以上の成長を押さえたいと思います
本年も楽しいレポートをお届けしたいと思いますので、
何とぞよろしくお願いいたします。
編集:社員A子


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