アルスコーポレーション株式会社

Global Site
西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社

プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

カキの収穫と誘引
   

カキの収穫と誘引


色づいたカキの実は秋の風物詩ですが、今年は美しい色づきところではありません。

最近各地で報じられているハクビシンもしくはアライグマが我が家にも現れ、早く色付きかけた果実がかじられるという被害が生じているのです。

これまでブドウの被害はありましたが、カキの被害は初めてです。
ハクビシン(アライグマ)としては餌が、乏しくなったか、新しい獲物への挑戦だったのかもしれません。
それはそれとして、こちらとしては僅かな果実をどう守るかが先決です。ハクビシン(アライグマ)への対策ですが、北摂の里山近くの我が家では、ブドウの場合は犬・猫・猪などの忌避剤でかなり被害を防いでいるように思います。

西先生がお使いの忌避剤はこちらです。
(参照)
・ウルフピー
・イノシシなぜ逃げる?

しかしカキではこれまで被害がなかったので、
最も単純で確実な方法をとることにします。
写真は昨年紹介したカキの若木ですが、いくつか
結実し色づき始めています。

しかしこのままにしておくと、
ハクビシン(アライグマ)の餌食になることでしょう。
先端部しか色づいていない未熟な状態ですが
収穫することにいたします。

● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ● 

収穫の要領
写真のように枝ごと収穫します。

枝の充実度によりますが、多くの場合
今年結実した枝には来年の結実は期待できません。
ですから基部の芽を残して枝ごと収穫します。

これで冬季の本格的な剪定が省けるだけでなく、
残った枝の充実にもつながることでしょう。

枝の誘引

カキの枝は折れやすく、
特に落葉時に強い誘引で折ってしまうと
いけませんので、未だ緑の葉が茂って枝が
やわらかい状態の時に誘引するのが無難です。
誘引の要領ですが、これまで通り枝は支柱を用いて
左右に広げるだけです。
なぜこうした平面的な樹形に仕立てるか、ということですが
第一は場所を広く占めないようにすること。
今回のように害獣や鳥などの被害を防ぐために、
ネットを張る際にも好都合な樹形だからです。

実際にこの若木の場合、
支柱によって枝の生長が抑制され、
今年は実がたくさん結実しました。


果実の処理


収穫した果実は未熟でまだ甘味は乏しく、渋みが残って
いるかもしれません。
甘味が薄いだけでしたら、サラダの材料にもなりますが
渋みが残っていては食べることができません。
渋抜き法としましては、焼酎処理・果実をむいて
干し柿にする方法がよく用いられていますが
今回は果皮をむいてみましょう。
わたしの経験では、果皮をむいて一週間もすると
褐色になり果実が柔らかくなり、美味しく賞味できます。
手軽な方法として、リンゴと一緒にビニール袋に
入れて密封しておくと、数日で甘くなってくれます
これにて本日の作業は終了です。
お疲れ様でした。


★ ★今日のひとこと★★★
西先生のご自宅で実際にカキの渋み対策を
したものをいただきました!

中から熟した甘い果実を吸い出すように
食すことができました!
ゼリーのような不思議な食感・・・でも美味しい!
みなさんも渋柿をいただいた際、
ぜひぜひお試しください
社員2号でした。



新しい記事

カテゴリー

月別アーカイブ

タグ