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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

鉢植えレモンの知恵
   

鉢植えレモンの知恵


写真は、園芸店で入手したレモンの苗木を
鉢植えしておいたものです
地植えだと、この位の高さから
将来の主枝候補(結実している枝)が
伸びだしているのがよいのでしょうが、
鉢植えの場合には、これでは間延びしていおり
株が不安定になり、また場所を大きく占領することになります

そこでコンパクトな樹形にしようと思いつつ
手入れを怠っていましたら、いつのまにか上の写真のような姿になっていました。ご覧のように地際から台木のカラタチが、伸びだしており、それに続いて幾つもの新梢が発生しています

※オレンジ色で囲ってある部分がカラタチ
どうしてこんなにうまい具合になったのか。
不思議でしたが、レモンもこの鉢という場で、必死に生きようとしているのだ!ということに気づきました。
地上部(幹・枝・葉)の生育を支えるのは、地下部(根)です。
接木をされ畑で伸び伸びと育ってきたのに
突如として根と枝葉を切りつめられ
小さな鉢に植えつけられました…
当初はまた地植えをしてくれるのではと期待して上部から新梢を伸ばしたのです。
ところが、この鉢で生活をしなければならないようだ!
ということに気づき、この鉢でどのように生き延びるか
考えた結果、写真のようになったのではないでしょうか
そして上部の新梢では、
株不相応に大きな果実が着いて
枝垂れています。
どうみてもこの小さな株で、
こんなに果実を着けるのは不自然です。
この厳しい環境で、もしものことがあっては大変!ということで、
「種族保存」のために一生懸命果実を育てているのでしょう
栽培というのは、植物の望んでいることをできるだけ
叶えてあげることといってもよいでしょう。
こうしたレモンの願いにも配慮しながら
手入れをしてみましょう。

● ● ● さあ、やってみよー! ● ● ● 
下部の新梢の生育促進

枝の勢いは上部のものほど旺盛です。
その主な原因は樹液の流れによるもの。
下部の枝が貧弱なのは、養分の流れ込みが少ないだけでなく
上部の枝から送り込まれます。
生長抑制物質の作用があるということを、見逃せません。
そこで伸ばしたい下部の新梢の上部に、写真のような切り込みを入れてやります 。

こうすると生長抑制物質の作用を防ぐことになり
下部の新梢を中心とした樹形づくりが始まることでしょう。
カラタチ(台木)の処理

普通は台木からの新梢は早めに切除されるものですが
今回はカラタチ台木養成のため、来春の接木の季節まで
残しておきます。


防寒対策
これからやってくる冬に向けて
根を凍傷させないように、鉢を保護してあげましょう。


今回はヤシの繊維をぐるりと巻きました!
これからくる寒い冬を元気に乗りこえてくれますように
本日の作業はこれにておしまい!
おつかれさまでした☆


『鉢植えレモンの知恵』に適した刃物


フローリストナイフ フローナ直刃
小さく小回りがきくので、環状剥皮や切れ込みを入れるのに便利!
西先生も愛用のナイフです

フローリストナイフ フローナ直刃 FN-6T-R-BP

★★★今日のひとこと★★★
いよいよ秋になりましたね
西先生と車に乗っていると紅葉した木々を発見!
「もう色づいてますね~」と言うと、
「早く紅葉する木は根が弱ってるものなんだよ。。。」
と衝撃のひとこと!
これから紅葉した葉っぱをみるたびに、
元気かい?頑張って冬を乗り越えるんだよ!!と
思わず声をかけたくなってきた1号です。
ぐぐぐーと大阪も寒くなってきました。
みなさま温かく羽織って、風邪などひかれぬようご自愛くださいね。


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