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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

盆栽の植え替え
   

盆栽の植え替え


モミジ・ケヤキなどの落葉樹の植え替えは、新根が本格的に活動する前に行うのが理想的です。
根が活動を始めて、樹液が枝先に届いてから芽が伸び出すのですから、芽が伸び始めてから行うのは手遅れということもできます。
2月も半ばになりますと、枝の切り口から樹液が滲み出てくることからも、手遅れの感じはあります。
しかし、寒の最中に行いますと、用土の凍結で株が浮き上がってしまう危険があります。
特に雑木盆栽などは、霜柱の立ち易い赤玉土を用いることが多く、栽培棚での管理の場合には、用土の凍結の心配が無くなってから行うのが安全です。
当然、植物には衰弱の危険が高まりますが、木に体力がある場合には、軽い衰弱は徒長抑制ということにつながるかも知れません。



さて、要領ですが、株を鉢から外したら、先ず雑草やゼニゴケなどの除去を入念に行いましょう。
特に、スミレやカタバミなどは、根を確実に取り除いておくことが大切です。

用土の表面には雑草の種子などが落ちているので、ピンセットやブラシなどですっきりと掃除をしてやりましょう。
表土を取り除く時には、根の状態も確認でき、いわゆる「根張り」を整える作業も行えます。
基本的には、幹を中心として根を放射状に伸ばしてやります。表面に苔が見え始めている場合には、取り除くのは惜しいような気がします。
しかし、さっぱりと新しい用土を入れてから、美しい苔を乾燥し、手で揉んで胞子を用土の表面に撒布しておけば、夏には鮮やかな緑が観賞できるでしょう。
早く苔を茂らせたい場合には、薄い液体肥料を散布してやります。

次は根の処理です。樹形作りは枝作りでもあります。特に小枝を多く茂らせることが大木の趣を生み出すポイントです。
枝と根の状態には密接な関係があり、根の茂り具合が枝の茂りに繋がっていると考えることができます。
従って、用土の周囲から根を外して行き、用土と共に3分の2位の根を除去します。
特に太い根は短く切り戻しておくことが肝心です。
太い根が伸びると、その分だけ細根が失われる訳で、その結果、小枝の減少や徒長枝の発生に繋がるのです。
根の整理が終わったら、枝の剪定です。
これを逆にすると、作業の途中で枝・芽の損傷を起こす危険があるからです。
枝の扱いでは、一番下の枝、つまり「一の枝」を大切にしましょう。上部の枝ほど再生が容易ですが、下枝の再生は難しいので注意したいのです。
ですから、剪定は下枝から順次上部の枝へと行います。仕上がった時に、樹形全体が円錐形になっているようにするのが基本です。
上部の徒長枝の切口が大きい場合には、切口癒合剤を塗って早く治癒させましょう。
そのままにしておくと、切口部分がふくらんで目障りになりがちです。

植え終わったら、株と鉢を確り固定しておきましょう。
鉢穴を利用して針金などで株を固定すれば目立ちませんが、紐で固定してもよい訳で、根が確り用土と馴染んだ梅雨の頃には外してやります。
そのままにしておくと、紐が幹に食い込んで、取り返しのつかない傷になってしまいますから。

最後に潅水ですが、寄せ植えなど、用土の状態を美しく保ちたい場合には、鉢ごと静かに水に沈め、いわゆる「腰水」をしてやるとよいでしょう。
こうすると、水の浸透具合で用土の透水・排水の状態も確認できます。
肥料は新芽が伸び出してから、それも液体肥料を与えるのが合理的でしょう。


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