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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

甘夏の冬越し
   

甘夏の冬越し



ユズの台木に甘夏を接木して育てていたのですが、台木の部分(基部)から新芽が伸び出し、放っておいたら三年目に写真のように結実しました。楽しいので、これからも、甘夏もユズも結実させてやるつもりです。


ただし、ユズは組織が根から直結しているため、甘やかしすぎると徒長気味になることが考えられます。一方、接木された甘夏は、接木部が一つの壁となって、養分の流れが悪くなり、衰弱する可能性があります。そこで、甘夏はユズよりも日当たりなどを始め、良い環境を作ることにします。剪定誘引など樹形作りの際にも、まずは甘夏の生育を優先するように心掛けるつもりです。
ところで、甘夏が結実している枝は葉が黄色くなっていて、元気がありません。やはり、果実を養うことに疲れているのでしょう。今年はこの枝での結実は期待できません。一方、結実していない枝の葉は濃緑で元気です。今年はこの部分に結実してくれそうです。

camera1左側は葉が黄色い。右側は葉が濃緑。
 
camera1左 黄色い葉&果実が多い
camera1右 濃緑の葉
さて、実った果実ですが、無難なのは1月の間に収穫しておくことです。気温が10℃を下回るようになると、根の活動が大きく低下して栄養が悪くなり、果実から養水分が奪われてしまうためです。もちろんそうなると、果実としての価値はなくなってしまいます。
しかし、これまでの経験では、3月下旬を過ぎると果実に果汁が戻り、味も冬に収穫したものより美味になるように思います。そこで、この株については、収穫するまで鑑賞植物として玄関に飾っておき、春になったら果実を賞味することにします。
とは言っても、露地栽培では根は暖かい地温に保護されていますが、鉢栽培では鉢(用土)が直接冷気に触れるので、寒害を受けやすくなります。
そこで、写真のように鉢を2重にし、用土の保温を計ることにしました。幸い、この玄関は東に向いていて日当たりは良好で、北西の寒風も遮られており、軒下になりますから霜の心配もありません。
 
また、地上部は北側のみ透明なビニール(袋)で包んで保護しておきます。注意したいのは、ビニールで密封してしまわないようにすることです。密封すると、日当たりが良く暖かい日中の気温と、夜間の冷え込みの温度差が大きくなって、木を衰弱させる危険があるためです。
余談ですが、甘夏は大丈夫ですが温州ミカンなど果皮の薄い果実は、小鳥によく食べられるので、この作業はその予防にもなります。

最後に、時として『冬の間、木は休眠しているから、灌水はあまり必要ない』という声が聞かれます。落葉樹ではその話は的を射ていますが、柑橘類のように常緑のものは、葉から四季を通じて蒸散作用が行われていますし、特に結実しているものは用土を乾燥させないように注意しましょう。


『甘夏の冬越し』に適した刃物scissors


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