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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

6~8月がシーズン!果樹の夏季剪定
   

6~8月がシーズン!果樹の夏季剪定


今年は梅雨が長かったので、どの木も軟弱徒長しているようです。それでなくても高温乾燥の夏越しは、どの木も大変な負担です。平素は手抜きしている木でも、今年は夏季剪定を改めて考えてみましょう。

夏季剪定は、冬季の剪定とは異なり、混み合っていて病害虫の巣になりそうな部分の枝葉を間引いて、採光・通風をよくしてやる程度に止めるのが基本です。


一昨年に徒長しているリンゴの枝を、水平に近く誘引しておいたものです。

今年も直立した徒長枝が林立しています。こうした枝には、まず花芽はつくられないでしょう。かと言って、基部から除去すると、夏から秋にかけて新しい徒長枝が発生することでしょう。

そこで、今回は、これらの徒長枝の基部(切り株)を少し残して切除することにしました。ねらいは、残した基部から短い新梢を伸ばすことです。うまくいけば結果枝になってくれるかもしませんから。


<さあ、やってみよう!>

🌳剪定する枝の選定
徒長枝をすべて切除すると、木の生育バランスが乱れますから、残す枝の配置にも配慮しながら、特に旺盛なものを中心に選びます。

🌳切る位置
選出した徒長枝の基部を約1cm残して切断します。
この際、注意したいのは、切り口がきれいに切断されていることです。
そのため、片刃の剪定鋏よりも両刃の植木鉄などが適しています。
切り株が1cmより長くても短くても、新梢は発生することでしょうが、長いと新梢も長くなりますし、短いと新梢も短くなる(貧弱化)傾向があります。

🌳切り口の保護
トップジンMなどの切り口保護剤を塗布して、切り口を風雨や強光から守ってやりましょう。そうしたものがない場合には、ビニールシートなどで包んでおくのも一法です。この場合には、新梢の発生を妨げないように注意しましょう。

🌳その他
○作業の内容を記したラベルを付けておきましょう
夏季剪定は6~8月にかけて行われますが、夏は花芽分化期でもあります。遅れると分化が妨げられますし、早過ぎると徒長枝になってしまう可能性が高まります。わが家での適期を知るためにもしっかりと記録しておきましょう。記憶はすぐにうすれてしまうものですから。

○間引き剪定に自信がない場合
剪定を控えめにして、枝を横に誘引しておくのも徒長抑制に役立ちます。今年は例年より夏の日中に枝葉がしおれる度合いが高いかも知れません。
でも、少し萎れるくらいの方が花芽分化は行われやすいものです。
潜水などで木を甘やかすのは禁物です。

▼徒長枝剪定後


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