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西先生のプロの園芸作業 | アルスコーポレーション株式会社
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プロフィール

西 良祐(にし りょうすけ)

大阪府立園芸高等学校教諭、甲子園短期大学教授、常磐会学園大学教授を経て、(社)フラワーソサイエティー名誉会長を勤める。 その他NHKテレビ「趣味の園芸」講師や財団法人川西市緑化協会理事、社団法人日本家庭園芸普及協会技術顧問など。

スモモのトピアリーの剪定整姿
   

スモモのトピアリーの剪定整姿


果樹では、自家不結実性(自分の花粉を雌しべにつけても受粉しない性質)が強いものが多く
授粉樹を近くに植えておかないと結実しにくいことが多くあります。
スモモの場合も、「メスレー」や「サンタローザ」のように
自家結実性が強いものもありますが、多くの品種は結実させるには授粉樹が必要です。

目的の一つは、
我が家に適した品種を選抜したいということもあるのですが、
生育の旺盛なスモモを狭い庭で栽培するのは大変です。

 
そこで果樹園のように大型にせず、
出来るだけコンパクトに仕立てることにし、
主枝は左右二本とし、扇状の樹形にすることにしました。

整姿は昨年の三月に、
支柱などを使って行いました。

 
多少の遊び心もあって、
完成時にはハート型(トビアリー)の樹形にするつもりです
こうした平面的な樹形は場所をとりませんし、
懐枝が生じないことから剪定も簡単です

下の写真は一年たった状態です。

上部は非常に元気な枝が茂っていますが、下部の枝は発生数も少なく、勢いもありません。

▲上部の枝のようす

▲下部の枝のようす

このままにしておくと、下部の枝の勢いがますます失われますし、
上部の新梢も正常な生育は困難です。

こうした旺盛な生長(徒長)をするのは若いスモモの性質なので、
剪定はあまり強く行わず間引き程度にし、早く落ち着かせることにします。

但し、将来の中心となる主枝の生育を妨げる枝は外しておきます。

● ● ●  さあ、やってみよー!  ● ● ● ● ● ●

剪定
まず、右方の中心となる主枝を横切っている枝を外しました。

そして左方の上から二番目の枝も外します。

そして徒長枝を剪定していきます。

将来的には、あまり樹高が高くなると作業が大変なので、左右とも一番上の枝は順次外す予定です。

これは「太陽」という品種で、果実が成熟すると紫紅色に色付きますが、赤い果実は野鳥に食害されるので、ネットを張るか袋掛けをしなければならず手入れが大変なのです

剪定したあとの切り口にはトップジンMなどを塗り、
病原菌が侵入をブロックしておきましょう

誘引

最後に下部の枝の処理ですが、支柱をつかって誘引をしておきます。

まことに簡単な剪定整姿ですが、
先にも申し上げたように、樹形を綺麗に仕上げるよりも、
早くこの木を落ち着かせることが大切なのでこの程度にしておきます

この状態では、
今年も上部の枝(特に最上部の枝)から
たくさんの徒長枝が発生することでしょう・・・

そうした場合には、
剪定をするのではなく新梢が柔らかいうちに下方へ誘引してやることにします。 
枝が上方へ向かっている時には生育は旺盛ですが、
横から下方へと枝先を誘引すると
伸長はピタッと停止するものなのです

 
花芽は夏に分化します。
この時季に強い剪定をすると木はバランスを乱して、
来年の花芽分化が妨げられますので注意してくださいね。

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★★★今日のひとこと★★★
2月も後半戦。

少しずつ力を増す太陽のあたたかさに、
春の予感を感じています・・・・
梅の花もちらほらと見受けられて、
いつもの景色にピンク色が加わると、ぐっと春を感じますね。
コート脱ぎたいなあ、お花見ゆきたいなあ、、、
と春が待ちどおしい取材日でした



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